大西一憲


「スキーボード ジャパンカップチャンピオンの原点に迫る!!

トップアスリートインタビュー
Q1:スポーツ歴を教えていただけますか?
大西選手:水泳を5歳くらいからはじめました。最初は無理やりやっている感じで、泣きながらスイミングクラブに行っていたのですが、クラブに行くのが習慣になってくると、水泳をやるのが当たり前になってきました。余裕が出てくると、他のスポーツもやってみたいと思い、小学校4年生で硬式テニスをはじめました。周りの友人はサッカーや野球をやっていたのですが、僕は違うことをやりたいと思い、スイミングクラブ内にあった硬式テニスをやろうと思いました。テニスは楽しくて、休日は父親とテニスコートで練習をしていました。中学に入ると水泳中心になりました。もともとは平泳ぎが専門だったのですが、競技者が多いので個人メドレーに変更しました。成績は県大会出場です。水泳は高校時代もやっていましたし、あとは、陸上の400mと走り幅跳びをやっていたり、インラインスケートもやったことがあります。そして、高校時代にスキーをはじめてから、スキーボードに出会い、今まで10年位続けています。これまでいろいろなスポーツをやりましたが、現在のスキーボードに直接結びついているのは、インラインスケートと水泳です。特に水泳では、ボディバランスとスタミナ・レース戦略などを学んで、今に活かされています。
 
Q2:スキーボードをはじめたきっかけは?
大西選手:まず高校時代に、スキー教室に参加して、スキーに興味を持つようになりました。それからは、アルバイトで貯めたお金でスキー用品を買ったり、スキーのバスツアーに参加したりしていました。高校時代のある時、スノーボード用品を買おうと思ってスキー専門店に行った時に、スキーボードに出会いました。スキーボードのプロモーションビデオに衝撃をうけたのと、スキー用具があれば気軽に始められることを知って、その時にスキーボードをやろうと思い、板を購入しました。最初は興味の方が強かったので、選手になろうという気持ちはなかったと思います。
大西一憲
 
Q3:スキーボードの練習を初めて行った時の感想は?
大西選手:実際にやってみると、想像以上に面白くてどっぷりとハマりました!!まずは単純に滑ることが楽しかったですね。それからはスキー場で自然とスキーボードをやっている方と出会うようになって、人の輪が出来ていきました。仲間でわいわいやる楽しさに気付き、ずっと続けていこうと思いましたね。
 

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Q4:スキーボードクロスとはどんな競技ですか?
大西選手:スキーボードは、スキー板のカテゴリーの一つで、日本国内では主にファンスキーやショートスキーと呼ばれていて、一般的に長さ100cm未満の板を指し、ストックを持たないで滑走します。スキーボードクロスは、雪上の障害物競走とも言われ、4~6人の選手が同時にスタートし、1000m前後のコースにジャンプなどのセクションが織り交ぜられたレース競技です。
 
Q5:競技者として、大会に出るようになったきっかけは?
大西選手:大会に出始めたのは社会人の時で、スキーボードをはじめてから2年後くらいの1999年ですね。雑誌で大会があるのを知ってはじめて参加しましたが、結果は参加選手中で最下位でした。もともと負けず嫌いな性格だったので、負けたことが悔しくて、「いつかはもっとうまくなって優勝するぞ」と決意しました。そして、その大会の翌週にも石川県で大会があったのですが、自宅から片道10時間くらいかけて石川県での大会に出場しました。大会に初出場してから10年位が経ちますが、今でもあの時の悔しさは忘れられません。

Q6:大会で思うような結果が出せる様になったのはいつ頃ですか?
大西選手:まだまだ今でも自分の滑りには納得していないのですが、冷静に自分を見れるようになったのは、2004年~2005年シーズンの後です。それまでは大会に出てもずっと3位だったので、それまでよりレベルアップするためには、一から見直さなくてはいけないと痛感しました。それから、「こうすれば速くなる」とか「こうしないといけない」という滑りのイメージを作って、試行錯誤して客観的な視点で自分を見れるようになりました。それまでは、ガムシャラにやっていたので、これが良いターニングポイントになったと思います。今では、試合前にありとあらゆる状況を想定して、自分の頭の中でレースのシミュレーションをしてからレースに望みます。

 



大西一憲

Q7:今までに思い出に残るレースは?
大西選手:2007~2008年シーズンに開催された「WILLCOM CUP 2008」というレースです。優勝出来たのもそうですが、この時は自分が納得できる勝ち方ができました。具体的に言うと、レース中の勝負所で勝負に出て、一か八かの賭けに初めて成功したレースでもありました。今まで勝負所だった箇所とは違う瞬間に仕掛けることができての勝利だったので、自身の滑りの幅を広げられたと思います。自分のレーススタイルは、スタミナを活かした後半追い込み型が主流だったのですが、先行逃げきりもできるようになりましたし、今までは、決勝に残るためにはどうすればよいかを考えていたのですが、そういう考えを辞めて、常に1位で通過するにはどうすればよいかを考えるようになりました。2位通過でも予選は通過できますが、このやり方では、決勝戦まで勝負をするメンタルではないのかなと思い、常に全力でレースに望むように心掛けています。自分のレースに望むスタンスは、「優勝するかしないか」です。準優勝でも一回戦敗退でも同じだと思っています。

大西一憲

Q8:ワールドカップで銀メダルを獲得した時の想いは?
大西選手:2006年~2007年シーズンに開催された「SKIBOARD WORLDCUP ROMANIA 2007」に出場しました。正直、緊張していたので、あまり当時の記憶が無いんです(笑)。しかし結果として、スキーボードクロスで銀メダル、ダウンヒルで銅メダルを獲得できて、ホッとしました。この大会に参加した理由は、世界の中での日本のスキーボード界のレベルを把握するのと、世界の中での自分の実力を測るためだったのですが、海外の選手は滑りの質が違いましたし、日本にはいないタイプの選手がいて参考になりました。大会後に振り返ってみると、ワールドチャンピオンになれなかったことが悔しかったのですが、新たな目標ができて良かったと思います。あと日本に戻ってからは、ワールドカップ銀メダリストととして、日本の大会で結果を出さないといけないプレッシャーがあったので、ムキになって競技に取り組みましたね。

Q9:普段のトレーニング内容は?
大西選手:シーズン中の平日は1日置きにトレーニングし、週末は競技練習をしにスキー場に行きます。普段のトレーニングはたくさんの項目をやるようにしていて、ロードワーク・水泳・自転車・フライングループ・バランスボール・ヨガなどをやります。スキーボードについては、周りからのアドバイスはうけてきましたが、専属で競技を教えていただいた経験は無く、独自のトレーニングと研究でここまで来ました。

Q10:普段の練習で心掛けている事は?

大西選手:まず、その週にやるトレーニングメニューをしっかりと計画してから、目的意識を持ってトレーニングします。あとシーズン中はスキー場で練習しますので、スキー場選びは重要です。天候状態やコース状況によって、スキー場のコンディションが異なりますので、慎重に選びます。自分はスキーボードがメインですが、スキークロスもやっておりますので、スキークロスの選手と一緒に練習したりもします。スキーはスピードが出ますが、スキーボードは板が短い分、バランスが重要です。両方をこなすためには、かなりのバランス能力が必要です。ですので、重点的にインナーマッスルを鍛えるようにしております。

 



大西一憲


Q11:食事管理で気を付けていることは?
大西選手:基本的に自炊をしております。昔、中華料理のファミリーレストランでアルバイトをしておりましたので、中華料理をよく作ります。バランスも良いですし、手軽に作れます。よくウィンタースポーツでは、体重が重くて動ける体が理想とされますが、自分の場合は水泳をやっていた影響で、体重が増加しにくいです。ですから、バランスの良い体作りを重視して、細い体でもスピードが出るように食事メニューも工夫しています。特に海外の選手は体が大きいので、当たり負けをしないというよりも、違う方法で勝つことを考えていますね。

大西一憲
Q12:スキーボードの魅力は?
大西選手:スキーボードをやる側の魅力は、初心者でも自分の思うように簡単に滑れることが魅力です。スキーボードは現在レジャースキーとして認知されていますが、競技選手は少なくなっています。スキーボード界で、目標となる選手が出てくれば、もっと競技人口が増加しますので、自分がそういう存在になれたらいいなと思います。見る側の魅力としては、クロス競技の中で、スキーボードクロスは接戦になります。大逆転がよくあって、最後の最後まで見逃せないところです。スキーボードは用具の管理も比較的簡単で場所もとらないですし、お値段もお手頃でワックス塗りも楽ですので、簡単に挑戦できるウィンタースポーツだと思います。

Q13:スキーボードクロスを続ける原動力は?
大西選手:原動力は色々あるのですが、まず滑ることが楽しいことです。あとは、自分を負かす選手がいつか出てくるんじゃないかという期待もありますね。ですから、若い選手には技術を惜しみなく教えますし、経験談やトレーニング法なども伝授しています。その中で、個人個人がオリジナルの技術を追求してほしいと思います。もちろん、みんなで滑る楽しさも原動力になっていて、スキーボードはスキーに比べて近くで滑れるので、手をつないで滑ったり、遊びの要素も多分にあります。競技者として自分がワールドカップで銀メダリストになれた要因としては、競技を続けていくことを励ましてくれた仲間がいたことですね。試行錯誤して努力を続けてきたら、いつの間にか世界チャンピオンが手の届くところまで来ていたという感覚です。それと、仕事と競技の両立も相乗効果になっていて、仕事の取引先の方に応援していただいたりしていますので、本当に感謝しております。

Q14:今の目標は?
大西選手:一つでもよいので、ワールドチャンピオンを獲得することです。今年2009年の夏に南半球で、ワールドカップが開催されるかもしれないという情報もあるので、開催が決まった時のために、シーズンオフでもいつでも滑れる状態にしておこうと思っています。あとは、スキーボードの面白さをたくさんの人々に伝えていきたいと思います。
大西一憲

Q15:若者へのメッセージ
大西選手:自分の座右の銘でもあるのですが、メッセージは「やらずに悔やむより、やって悔やめ」です。若い頃でしたら、いろいろとチャレンジできるのですが、ある程度年を重ねると、社会的責任も出てきますし、チャレンジができなくなってくると思います。ですから若さを活かして、後悔の無いようにしていただきたいですね。この座右の銘は自分が中学生くらいの時から続けていて、とにかく食わず嫌いをやめて、とりあえず何でもやってみることにしています。
 
 
 
大西選手、インタビューありがとうございました。


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  プロフィール


大西 一憲 (おおにし かずのり)
 
1980年2月11日生まれ
 

高校時代にスキーボードに出会い、趣味ではじめるが、社会人になってからは、本格的にスキーボードクロスの大会に出るようになる。コンピューターシステムエンジニアとして働きながら、スキーボードクロスの大会に参戦を続け、2007年にルーマニアで開催されたワールドカップでは、銀メダルに輝く。近年は日本国内の大会で、数多く優勝し、若手選手の憧れの的となっている。Snow slide所属。静岡県出身。

 

【主な競技実績】
 
□08~09シーズン
・TRIPLE CROSS JAPAN CUP 2009
スキークロス     優勝
スキーボードクロス 優勝
 
 
□07~08シーズン
・ WILLCOM CUP WINTER GAMES 2008 優勝
・ TRIPLE CROSS JAPAN CUP 2008  優勝
・ 飯綱高原クロスゲーム  優勝(スキークロス)
・エーデルワイスクロスゲーム  4位入賞
・ SKIBOARD WORLDCUP DUBAI 2008
 招待選手
スキーボードクロス   5位入賞
ダウンヒル        4位入賞
ビックエア         4位入賞


□06~07シーズン
・ SKIBOARD WORLDCUP ROMANIA 2007
スキーボードクロス    銀メダル
ダウンヒル         銅メダル
・エーデルワイスクロスゲーム  優勝


□05~06シーズン
 ・菅平高原クロスゲーム      4位入賞
 ・飯綱高原クロスゲーム      準優勝
 ・神立クロスゲーム  5位入賞
 ・エーデルワイスクロスゲーム 5位入賞
 ・白馬五竜ファイナルクロスバトル 4位入賞
 
 
□04~05シーズン
 ・ブランシュたかやまクロス    3位入賞
 ・飯綱高原クロス  3位入賞
 ・アルツ磐梯フリーライド選手権  3位入賞
 

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