新田明臣
プロフィール

心発夢着


新田明臣 (にった あけおみ)
1973年7月23日生まれ
NPO法人バンゲリングベイ代表理事
東京都杉並区出身


キックの伝説、ラモン・デッカーをして「最強の日本人選手」と言わせしめ、数々のタイトル獲得だけでなく、華やかな入場、逆転に次ぐ逆転のスリリングな試合でファンの記憶に深く刻まれる名選手。現在は、ジムの運営と後進の指導、宿願だった
NPO活動に闘いのリングを移している。
 
 
バンゲリングベイHP

バックナンバー
 
    Vol.015
   【混合バレーボール協会理事長】
  Vol.016
    【武道魂インストラクター】

Vol.017
    【フットボールミューダリングパフォーマー】

Vol.018
    【バンゲリングベイ代表】

  Vol.019
【宮塚スポーツ研究所所長】
  

新田明臣

 

「人の輪を広げていきたい」


Q1:スポーツ歴を教えていただけますか?
新田さん:小学校4年生の時に野球をはじめました。きっかけは、周りの皆が野球をやっていた影響です(笑)。野球は中学1年生まで続けました。他にも小学生時代には、キャプテン翼が流行っていたこともあって学校のクラブでサッカーをやっていました、剣道も同時期にやっていましたね。格闘技をはじめたのは高校時代です。
 
Q2:格闘技をはじめたきっかけは?
新田さん:昔から格闘技に憧れていたので、まずテコンドーをはじめ、次に空手、それからキックボクシングをはじめました。テコンドーをはじめたのは、中学生の時に「強くなりたい」と思ったからですね。昔は体も小さく、精神的に弱い部分があり、根性はあったのですが度胸が無くて…なかなか最初の一歩を踏み出す事が出来ませんでした。当時はそういうコンプレックスがあったので、格闘技をやって精神的に強くなりたかったのだと思います。
 
Q3:実際に格闘技をやってみていかがでしたか?
新田さん:最初は、週1回小学校の体育館でテコンドーをやっていました。その後、空手をはじめた時には、入門するまでなかなか勇気を出せなくて、道場の前まで行っては中に入れずに帰ってくる、ということを何回も繰り返していました。やっと決意ができて空手道場に入門し、大会で優勝することが出来るようになってから、やっと「これならキックボクシングができるな」と感じました。このように僕の場合は少しずつ段階を踏んで、徐々に格闘技に慣れていきました。

Q4:キックボクシングをはじめたきっかけは?
新田さん:空手をやっていたある時に出稽古に行ったのですが、そこでキックボクサーの人と出会いました。その選手がとても魅力的で、「自分もそうなりたい」と想いキックボクシングをはじめました。これが18歳の時ですね。

新田明臣


Q5:キックボクシングの練習を始めて行った時の感想は?
新田さん:空手をやっていた時に周りの方々からは、キックボクシングにはすぐには対応できないと言われていました。しかし実際にやってみると、すんなり出来ましたね。それから練習を積んで、試合にも出せていただくようになりました。アマチュアでの最初の試合はトーナメントでした。僕はローキックが強かったので、全て一本勝ちでした。そこで、「イケるな」と今後に自信がつきました。


新田明臣

Q6:プロでやっていこうと思ったきっかけは?
新田さん:キックボクシングをはじめた当初からプロでやっていくつもりでしたが、具体的なきっかけは、「グラップラー刃牙」と言う漫画のモデルをやっている方との出会いですね。その方と練習した時に、僕の人生で初めてノックダウンを経験しました。その時の衝撃と、その後の後楽園ホールでの試合を見た時に、華やかな入場などに魅了され憧れが強くなりましたね。19歳の時にプロデビューしましたが、この時はテンションが上がっていてすごく楽しい感じで試合がはじまったのですが、いきなり一発もらってダウンをとられて真っ白になりました。しかし、そこから盛り返して見事KO勝ちしましたよ。

Q7:思い出に残る試合は?
新田さん:最初の日本タイトルマッチの前にあった試合ですね。この時の対戦相手はイラン人のハードパンチャーでしたが、ローキックで逆転勝ちしたので印象に残っています。僕は、試合では結構打たれてダメージが残る戦い方でしたが、昔から逆転勝ちが多く観客には楽しんでいただけたと思います。
 

Q8:ターニングポイントは?
新田さん:1996年にNJKF日本タイトルマッチがあったのですが、今振り返るとこの試合が僕のターニングポイントになりました。この当時は、自分ではまだまだ実力が伴っていないと思っていたのですが、このタイトルマッチで勝利し日本チャンピオンになったことで、自分の中で拍子抜けしてしまった感じが正直ありました。自分がチャンピオンで良いのか分からなかったですし、ベルトをもらってもピンとこなかったです。それからは、チャンピオンという称号をもらった自分を受けとめるまでに時間がかかりましたし、いかに自分自身に価値を見出すかが課題となっていきました。

 

新田明臣

Q9:現役時代のトレーニング内容は?
新田さん:トレーニングは自然といつでもやっていましたね。練習時間をあえて決めないで、思い立ったらその場で腕立て伏せをする、という感じです。ロードワークは走るのが好きだったので、10キロくらい走りましたね。ジムワークは週に6回、内容は通常のミット、サンドバック、スパーリングですね。練習で心掛けていた事は、イメージを持つことです。
 

新田明臣

Q10:食事管理で気を付けていたことは?
新田さん:減量のストレスで精神的に追い込まれていた時期もありましたし、減量には悩まされる事が多かったですね。体重を落とす時期には、食欲が出てきたらすぐに筋トレをして、気分をまぎらわせていました。僕の場合は普段の食事から炭水化物を少なめにしていましたが、食事管理についてはその人それぞれですので、いかに自分に適しているかだと思います。

Q11:プロキックボクサーとしての現役時代から学んだ事は?
新田さん:僕は、練習量や内容については、周りの選手と比べていつも葛藤があったのですが、やはりイメージが一番重要だということに気付かされました。試合前に、その試合のイメージが鮮明に描けたときは、自分のイメージ通りの試合が出来ました。例えば、K-1の決勝戦の前は、ジムワークは集中できませんでしたが、家に帰って寝ている時に目が覚めて、その瞬間に家でシャドーをやっていました。そういう5分くらいの練習が試合に出るんです。ですから、どれだけ練習をやったかとか、時間じゃないと思いますね。ある程度上まで行けば、その瞬間瞬間で自分の中にあるイメージを出していかないと、通用しないです。僕自身も、現役生活の後半からはトレーナーなども変えて自主的な練習が増えましたし、自分に適した練習が出来るようになりました。いろいろなトレーニングも試しましたが、結局は自分でトレーニングを理解して意味づけをしないと、実にならないですね。何をやるにしても、自分発信で自分のエネルギーを感じた時に練習をする事が大切ですね。
 
Q12:NPO法人バンゲリングベイを設立したきっかけは?
新田さん:あるキックボクサーの話ですが、大会のトーナメント決勝戦で相手のハイキックをもらって、体が動かなくなってしまいました。格闘技ではそういう一つの試合の出来事で、生涯のリスクを背負って生きていかなければいけないこともあります。格闘技に限らすスポーツ選手は、華々しい現役生活を終えると、身体のダメージや後遺症を覚悟しなければならないんです。だからこそ、現役時代からメディカルケアに対する意識を養うべきですし、引退後の就職までサポートするシステムが必要です。そういうことが出来る環境を作りたいと思った事が、「バンゲリングベイ」を設立したきっかけです。具体的にはジムという場ですが、キックボクシングを通してひとりひとりが自己発信できる環境です。それは環境を用意する為だけの他力本願ではなく、人間として成長できるような環境ですし、人と人との繋がりを皆で大事にすることが必要だと思います。
 

Q13:キックボクシングの魅力は?
新田さん:キックボクシングは競技として分かりやすいところが魅力ですね。勝ち負けもはっきりとしていますし、競技の質も高いと思います。あと僕個人としては、人との繋がりですね。キックボクシングを通して、本当にたくさんの方々と出会う事が出来ました。その出会いを通じた経験で学んだ事は、人間は良くも悪くも環境に適応するという事です。物事は自分の心掛け次第で、プラスにもマイナスにもなります。要するに、物事がプラスになるかマイナスになるかは自分自身が決める事で、自分の価値は自分で決めないといけないですよね。

新田明臣

Q14:今の目標は?
新田さん:もっと人の輪を広げていきたいですね。ジムに関わる方々や、地元の人々との触れ合いを大事にし、感謝の気持ちを持ち続けたいですね。そして、自分の価値観を多くの方に伝えていければと思います。
 
Q15:若者へのメッセージ
新田さん:潜在的に自分が思っていることが自分の身に起こります。自分が思っているからこそ、自分がそこにいるという感覚ですね。偶然は一つも無いですし、全て自分の選択で物事が起こっているということです。ですから皆さんも、自分の価値観を大事にしていただきたいと思います。あとは、世界平和ですね。僕らの時代は、世界が繋がっている状態ですから、自分の心掛け次第でどこまでも行けると思います。

 

新田さん、インタビューありがとうございました。

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○編集後記
取材を通して、気さくいろいろと話していただきありがとうございました。現役生活で経験した事や感じた事を、現在に活かされているところが、とてもすばらしいと思いました。今後の活躍に期待しています。

【取材・編集/服部(株式会社 Keep up)】             2008年12月

 
 



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【おまけ情報】
おすすめ書籍:ザ・シークレット(ロンダ・バーン)


○実績
キックボクシング戦績56戦34勝(16KO)18敗4分
UKF世界ミドル級王者
K-1 WORLD MAX 2005 日本代表トーナメント準優勝
元戦(IKUSA)U70王
WKAムエタイ世界スーパーウェルター級王者
元全日本ミドル級王者
NJKFミドル級王者

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