森谷吉博
プロフィール

シュートボクシングのために

闘う広報


森谷吉博(もりや よしひろ)
シュートボクシング協会 広報
元シュートボクシングスーパーバンダム級王者
1972年5月25日生まれ
宮城県出身



現役時代は「闘う広報」として注目され、シュートボクシングスーパーバンダム級王者となる。現在はシュートボクシング協会を支える実力者。



シュートボクシング協会



バックナンバー
 
Vol.010
   【ストレングスコーチ】

Vol.011
    【ボクシングジム会長】

Vol.012
    【シュートボクシング広報】

Vol.013
    【MANY ABILITIES代表】

Vol.014
【ヨガインストラクター】  
  

森谷吉博

 

「シュートボクシングを一つの競技として成熟させていきたい」


Q1:スポーツ歴を教えていただけますか?
森谷さん:小学校1年生の時に、兄の影響で野球をはじめ、小学校卒業まで続けました。あと、小学校5年生の時にブルース・リーに憧れて少林寺拳法をはじめました。きっかけは、実家が旅館を運営していて、少林寺拳法の大学チャンピオンの選手たちが、毎年夏に旅館に合宿に来ていました。その合宿に自分も参加させていただいて、とても良い経験になりました。少林寺拳法は中学2年生まで続けました。中学時代の部活は柔道部で、初段を持っています。高校時代は、全くスポーツをやりませんでした(笑)。
 
Q2:シュートボクシングをはじめたきっかけは?
森谷さん:兄がボクサーになるために高校卒業後に上京して、大学に通いながらボクシングをやっていました。一方、僕もすぐに上京し格闘技をやりたかったのですが、あまり勉強が得意ではなかったので、高校卒業後の2年間は仕事をして、お金をためてから20歳の時に上京し、シーザージムに入門しました。シュートボクシングをやろうと思ったのは、やはりシーザー会長の影響が大きかったですね。昔からプロレスを良く見ていて、特に前田日明さんが好きでした。当時、前田さんに蹴りを教えていたのがシーザー会長だったので、格闘技をやりたいなら打撃をシーザー会長に学ばないといけないと思っていました。1回だけ上京前に、シーザージムに下見に行ったことがあります。この時に、ジムの選手がサンドバックやミットをやっているのを見て、ワクワクしましたね。
 
Q3:シュートボクシングの練習をはじめた当初の感想は?
森谷さん:最初からプロになるつもりで入門しましたし、自分でもできるようになってきたなと思っていた時に、ふと周りを見ると、空手や柔道を本格的にやってきた選手たちがいました。そういう選手達と練習を一緒にやった時に、自分との実力差に驚きました。その時のショックは大きく、自信が無くなり、だんだんとジムから足が遠のいていきました。気付けば1年くらいジムに顔を出さなくなっていました。
 
Q4:ジムに戻ったきっかけは?
森谷さん:ある時、ジムの先輩同士が試合で戦うことになり、観戦したいなと思ったことが、ジムに戻るきっかけですね。シーザージムでは、試合の興行の時は、練習生が裏方をやっていたので、僕も久しぶりに試合に行って手伝おうと思いました。当日、会長に久しぶりに声をかけていただき、自信が沸いて来ました。それから腹が決まり練習に行くようになりました。

Q5:プロになるまでの道のりは?
森谷さん:練習を再開し、だんだんと厳しい練習についていけるようになって、プロの先輩とスパーリングをしても、ひどいことにはならなくなってきたので、アマチュアの大会に出ようと思いました。94年に初めてアマチュアの大会に出場し、結果は3位でしたが、自分の成長を実感出来ました。それから、プロの選手と一緒に練習するようになり、必死で食らいついていきました。その後、アマチュアの大会で2回優勝し、晴れてプロになりました。 

 

森谷吉博


Q6:プロデビュー戦の思い出は?
森谷さん:やはりプロのリングは違いましたね。相手も実力があり、たくさんのトレーナーに見てもらっていますので、なかなか倒れてくれません。デビュー戦では思うような試合ができず、息が上がってドロドロになってしまいました。そういう自分が悔しいのと、恥ずかしい気持ちが入り混じって、試合後は泣きましたね。
 
Q7:今まで思い出に残る試合は?
森谷さん:タイトルマッチの時よりも、キックボクシングの選手と試合をした事は思い出に残っていますね。キックボクシングのルールで試合をして、この時はさすがに燃えましたね!!

 

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Q8:スーパーバンダム級の王者になった時の想いは?
森谷さん:99年にチャンピオンになりました。この時は名古屋でタイトルマッチを組んでいただきました。最初はいけると思っていたのですが、投げられてあせりました。コーナーに帰ると会長に思いっきり2発殴られました。このパンチが今までのどんなパンチよりもクラクラしました(笑)。おかげさまで、その後30秒で相手をハイキックでKOしました。やはり僕がチャンピオンになれたのも、会長の力が大きいですね。

Q9:当時のファイティングスタイルは?
森谷さん:ファイティングスタイルは、ヒットアンドアウェイですかね。上手にポイントをとっていくタイプでした。試合前は、あまり相手の研究をせずに、良いイメージを持って試合に望んでいました。技の中では、パンチが得意でしたね。
 
Q10:現役時代のトレーニング内容は?
森谷さん:99年にチャンピオンになった前後が一番練習していましたね。内容は、ロードワーク・ミット・サンドバック・スパーリングが基本で、後はウエイトトレーニングが好きだったので、ベンチプレスや腕立て・懸垂なども良くやっていました。シーザージムでは、スタミナ系の練習を重視していました。例えば、500m走で半分の250mジョギングで残りの半分ダッシュを10本続けてやったり、その練習後もジムまで5km走ったりしていました。練習で心がけていた事は、人の話を良く聞くことです。練習でしんどくなって、ただこなしているだけだと、試合で力を出せない事が良くあります。自己満足だけで終らない為にも、会長や周りの方の話を良く聞いていました。食事管理については、ジムでみんなでちゃんこ鍋を食べていました。会長が相撲やプロレスなどの流儀にならっていましたからね。サプリメントはアミノ酸とビタミン、カルシウムも摂取していました。
 
Q11:シュートボクシングの広報になったのはいつ頃ですか?
森谷さん:広報の仕事は、ジムに復帰した94年からずっとやっています。きっかけは、試合の時に練習生は、だいたいリングサイドに行くのですが、なぜか僕は受付係の担当になり、いろいろな人に挨拶したりしていて、その場でいろいろと宿題を頼まれ、練習以外にやらなければいけない事がだんだん増えていきました。昔は、「闘う広報」と言われていましたよ。選手が広報をやっているのに、広報が選手として試合に出ていると勘違いされていました(笑)。
 
Q12:広報の仕事と練習の両立はいかがでしたか?
森谷さん:自分がチャンピオンになってからは、S-Cupなどの大きな大会が多くなってきて、自分は運営をしなければいけないので、自分自身の試合が出来なくなっていました。東京で行う自分の団体の試合には出場できず、大阪や名古屋での試合がほとんどでしたね。ある試合の時のエピソードですが、僕がアメリカ人と試合をする時、その自分の対戦相手を空港まで迎えに行った事もあります(笑)。
 
Q13:チャンピオンになってから、心境は変わりましたか?
森谷さん:今振り返ると、ベルトをとってからは自分の中で区切りがついたというか、一段落したという感じでした。ベルトを守っていこうという気持ちが優先してしまい、強豪の外国人選手とかキックボクシングの選手と対戦して、もっと有名になろうという状況では無かったですね。そういう意味では、僕はもともとファイターとして持ってなければいけない闘争心などが欠けていたのかもしれませんね。実際にチャンピオンになってからは、なかなか練習時間が確保できませんでした。

Q14:引退された時の想いは?
森谷さん:2005年にチャンピオンのまま引退しました。きっかけは、2004年7月に地元の仙台で試合をやり、自分がメインをつとめたことです。この時が、今までで一番緊張しましたね。家族が見ていますから、勝たなければいけないし、しかも相手が一回KOされている相手でしたからね。結果として勝ちましたが、納得できる内容ではありませんでした。実は、この仙台の試合の時から引退を考えていました。広報の仕事をやりながら選手としてやっている状態で、選手を続けるべきか悩んでいました。やはり仕事に専念するべきだなと想っていた時に、会長に引退試合をセッティングしていただきました。引退試合なんて、普通はできないことなので、とても感謝しています。試合は見事勝利で飾りました。引退してから仕事に専念し、自分のやりたい事・好きな事をやって生活できるのが嬉しいですよね。今は大会で成功を収めた時が、一番喜びを実感できます。
森谷吉博

Q15:現在の格闘技界への想いは?
森谷さん:格闘技ブームの中で、格闘技人口が増えてはいるのですが、実は選手が分散してそれぞれの団体が充実したランキングを組めていないのが現状です。シュートボクシングは、ボクシングや柔道のように、一つの競技として成熟させていきたいと思います。ですから、選手をアマチュアで育て、プロとして興行をやり、海外にも普及しています。
 
Q16:シュートボクシングに広報として関わるモチベーションは?
森谷さん:シュートボクシングが競技として浸透していくことが、一番のモチベーションになります。今後はエンターテイメントのイベントが減っていく傾向にあると思いますが、その中でも、シュートボクシングは残さなければいけないと思いますし、僕がその役割を担っていると感じています。
 
Q17:シュートボクシングの魅力は?
森谷さん:未開拓のスタイルとして新しい競技なので、実際にやりはじめたらとても面白いと思います。まずは、多くの方々にルールを理解していただきたいですね。僕の個人的な意見ですが、侍同士の切りあいで、どちらかが倒れたら勝負は終わりだと思います。格闘技は立っている状態で相手を倒すという単純な事だと思います。その美学はシュートボクシングを通して、今後も追求して行きたいと思います。

Q18:今の目標は?
森谷さん:今は、2008年11月24日に開催されるS-Cupを成功させることですね。お客様を喜ばせる顔ぶれをそろえるのと、試合内容が良くなるようなマッチメークを考えて、皆様に楽しんでもらえるようにしたいですね。あとは、シュートボクシングの競技人口をもっと増やして、各ランキングを10位くらいまで付けられるようにしたいと思います。
 
Q19:若者へのメッセージ
森谷さん:自分がやりたいと思って取り組んだ事ならば、自分が納得するまでではなく、周りの人が認めてくれるまで投げ出さないでやり通していただきたいと思います。そうすれば、自分を助けてくれる人など、たくさんの財産が得られると思います。若い方々には、そういう信念を持ち続けていただきたいなと思います。

 

森谷さん、インタビューありがとうございました。

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○編集後記
取材を通して、森谷さんの人間味を感じました。暖かく接していただき、ゆっくりと丁寧に現役時代の思い出を話す姿から、シュートボクシングへの思い入れがひしひしと伝わってきました。現在も毎日ハードワークされていて、本当にすばらしいです。これからも、シュートボクシングを支えていただきたいと思います。

【取材・編集/服部(株式会社 Keep up)】             2008年9月

 
 


インフォメーション

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TEL:03-3843-1212
FAX:03-3843-7272
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